第五回書評 「地球はもう温暖化していない」平凡社新書 深井有著 820円

今年は、寒波の来襲のなか、新型コロナに揺れてのスタートとなりました。新しく就任した菅新首相は地球温暖化対策として、CO₂排出ゼロ社会を目指すという方針を提起しています。

考古学に関心のある方、生物学が好きな方は常識でしょうが地球温暖化・寒冷化は空気中のCO₂の濃度とは関係なく繰り返され、植物の生育にはCO₂は必須要素、多いほど成長が良い。地球の長い歴史の中で現代は最もCO₂濃度が低い状況にあります。

地球全体の複雑なエネルギー循環(実際は太陽はじめ宇宙全体からの影響が大きいようだ)による気候変動を大気中のCO₂濃度だけが決定要因と決めつける非科学的な科学者がまかり通つている嘆かわしい限りです。彼らは国連を根城にしているのでさらに悪質。日本人は「国連」に弱い…相変わらず…困ったものです。

この本は、CO₂の排出をコントロールできれば地球温暖化を防げるかのような愚かな主張に真っ向から反論し、むしろ寒冷化に向かう可能性さえあることを説いています。是非、多くの人に読んでいただきたい。

さて、新首相の提起したエネルギー(電力)政策には、さらりと新型原子炉による電力確保が盛り込まれています。今のところ反原発派の方々からの反発が見られないのは拍子抜けだが、本格的に新型発電所を展開すると全国に数百か所できるのだ.…どうなることやら。ちなみにCAMEは地面が太陽光パネルで埋め尽くされるよりはマシと思っています。

反原発派は二酸化炭素削減派とかなりの部分で重なっているので、その辺を突いて提起しているのか?キャッチフレーズは「(原子力発電を活用した)水素エネルギー社会!!」なんかカッコ内が気になるけど反論しにくいよねぇ。

新首相周辺も地球温暖化CO₂犯人説など本当は認めていないのではないか?エネルギーの安定確保とコスト削減には原子力発電が一番良いのだ。我が国は原子炉燃料の在庫が豊富で原爆製造を疑われるほどだし、処理に困っている、当面輸入しなくてよいようだし…