物語 奥の院拝み堂  姫巫女 菊里さんの悦び その3

これはフィクションです。あなたがどこかで聞いたようなと思っても、それは勘違い。

「さっき魅寿紀が来てね。私が余命三か月だって。高野が話したの?」
「いや、誰にも話していないよ」と驚いた表情をする。
「あの子、病院に友達とかいるのかなぁ。菊ねえは余命三か月てのは本当?って聞いてきた。高野にはまだ、誰にも話さないでって頼んであったし、言ってないとは思ったけど、凄いよね、父や母にも堅哉にも話していないのに。
それでね、魅寿紀から高野は大切な菊ちゃんの番犬だったこと、伝えてあげて欲しいって、泣いて頼まれた。」
「・・・」
「ねぇ、高野、昔、私が子ども欲しいから、高野はキクちゃんに協力してて誘惑したこと、憶えている?拒否されたけど…あなたそのこと魅寿紀に話してたのね。それでね、普通、大切なペットならギュッしたり、ナデナデしたり、添い寝したり、体洗ってやったり、餌をあげたりするでしょう。って、普通。だけど菊ねえは高野を可愛がるようなこと何にもしないくせに、いきなり子づくりを迫って…きっと組長はパニックになって、思わず拒否したんだって言うの。
普段からちゃんと可愛がっていたら、八房みたいに…になって、今頃、八匹ぐらいの子沢山になってたかもって…
おかげで私は組長の妻になれて、得したけど、このまま、菊ねえが死んじゃったら、渋谷のハチ公みたいになっちゃう。高野が抜け殻みたいになったら、私と佳蓮はどうすればいいの。だから、死ぬ前に高野は可愛い番犬だったって伝えてほしいって、泣いてね。」

「言われてみれば、高野に何にもしてあげなかったな…もう手遅れかもしれないけど、高野をギュッしてナデナデしたい。さあ、そんなところに立っていないで、私のところに来て、母がシーツを変えたし、さっきシャワーもしたから病人臭さもそんなにないと思うの。ねえ、私の最後のお願いだから、高野をギュさせて。そのジャケット脱いで、こっちに来て。」
「お嬢さん!」といって高野は布団の前に座り込んだ。
菊里さんは、寝たまま腕を伸ばし「来て。お嬢さんじゃなく、菊ちゃんて呼んで!」と言って敷き布団をたたき、高野にしがみついて、布団の中に引き入れた。
「小さいころ、時々一緒に布団にはいってくっ付いたことあったよね。私がほっぺにチュッてするとくすぐったいって逃げたりして」と言って彼の頭を撫でて笑顔を見せた。
「ちょっとだけ添い寝してあげる。高野って、こんなに大きくなってたんだ。昔は同じくらいの背丈だったのに、ほら菊ちゃんて呼んでみて」
「菊ちゃん」
「高野も菊ちゃんにギュッして」と
「菊ちゃん」と言って痩せた体を抱き寄せた。
「高野…もう思い残すことないかも、嬉しい!」といって、キスをした。
浴衣の前をはだけて「ほら、おっぱいにキスしていいよ。前はもっと大きかったけど、もっと豊かな胸のときにこんなことしたかったなぁ」
「高野、私パンツ穿いてないよ。触ってみて、濡れてる?…ほら、遠慮しないで」と言いながら高野の下腹部に手を伸ばした。
「あっ、固くて大きいの、凄い大きい。魅寿紀が自慢していたけど、見せて、ほら、ズボン脱ぎなさいよ」と手をかけた。
「やめてよ菊ちゃん。自分で脱ぐから」と言いながら片手でベルトを外し、もう片手は菊里の双丘の谷間に触れた。菊里は、アン!と声を出した。
「菊ちゃん、菊ちゃん濡れているよ」と言って指を繫みから谷間に忙しく這わせてゆくと菊里は両手で高野の巨根を優しく撫でる。
「わぁ~高野の私の腕より太い、ああすごく硬くなってきたよ、菊ちゃんにも入れて」といって亀頭に唾液を落として舐めた。
「すごい、このままじゃ入らないよ、そこ舐めていいから、いっぱい舐めて」と足を開いた。
「ううっ…痛い、ミシミシって、駄目、やめないで、ゆっくり、ゆっくりとね」と言って、さらに足を大きく開いて両手で高野の根元を握り中に引き込んだ、膣はギリギリっと音立てて広がる。
「菊ちゃん、頭んところ。入ったよ。分かる?もう出ちゃうよ」
「中に出していいから、構わず入れて、高野凄い、いいよ、いいから」
高野がは射精すると陽根はメリメリいいながら奥まで届いた。
「高野、ありがとう、苦しい、嬉しい、でもやっぱり苦しい。抜いて」と言った。
菊里の膣からの出血を凝視する高野に「大丈夫、いつものこと、静脈瘤があるんだ。擦れると血が出る。高野だって、昔見てたでしょ、秘儀のこと、拝み堂で、あのころからずっと、私の血…あなた知らんふりしていたけど…」

二人、布団に横になり天井を見つめ、「こんなに大きいものが入ってきたら大変だと思うけど魅寿紀は大丈夫だったのかな。」

「あいつは、するっと、だつた…」
「そうか、太いし大きいけど、するっとか。私も魅寿紀みたいに一回で妊娠するかも、そうしたら番犬高野の子を八匹くらい産んでいたかもね…本当に、ちょっとの行き違いで、人生が大きく変わるものね。」と言いながら柔らくなった巨根を撫でている。

「菊ちゃん、前から聞きたいことあったけど、きいていいかなぁ」と言いながらキスをする。
「何かしら」と言いながら亀頭を撫でている。
「昔、菊ちゃんの下校時に4,5人に囲まれて、俺がバットでボコボコにされたことあったよね」と言いながら左乳首を舐める。
「そんなことあったねぇ」と高野の袋を握ったり引っぱっている。
「菊ちゃん、デカい奴に腕掴まれそうになった時、逆に前に出て手を掴んで、相手の指一本折っちゃったよね」と言いながら首から襟に唇を這わす。
「あれは、折ったんじゃないよ、脱臼させただけだよ」と答えながら太ももを彼の巨根に圧しつけてスリスリする。
「あんな技、いつの間に覚えてたの?」と菊里の乳房を吸いながら膣とさねに指を這わす。
「ウッ、気持ち良い…あれは、夜叉姫様が教えてくれた通りにしただけよ…高野、そんなことしてちゃ、指に血が付くよ」と言いながら高野の耳を軽く嚙む。
膣に2本指を入れ、親指をさねに這わせながら「いつ?どんな事を教わったの?」
「あの子が私の手を掴もうとしたとき…たしか、左足半歩だして、左手で手の甲をつかんで、右足を踏み込み体重をかけて右手の平で相手の小指をグンと押せ…みたいな、だったか」と言いながら足を開いた。
高野は乳首を舐めながら「でも、一瞬だった」と言いながら、菊里の中に深く指を入れてた。
「夜叉姫様は言葉じゃない何かで、一瞬で伝えてくる。迷わずに理解できて、体が動く、奉納舞も一人舞じゃない、夜叉姫様が一緒に踊る、心が響き合う。あっ、気持ちいい」と巨根を右手で強く握った。

高野は乳首を舐めながら「知らなかった」と言い、菊里に跨ってもう一度、挿入しようとした。

「高野、嬉しいけど、この大きなもの、体が持たないよ。凄いセックス経験させてくれてありがとう。菊ちゃんと呼んでくれてありがとう、これで番犬は卒業だね。何だか、眠くなってきた…もう一度、大きいのに触っていいかなぁ」と言いながら目をつぶった。
高野は菊ちゃんの手を陽根に導いた。
菊里はそれを撫でながら「高野は今から、菊ちゃんの番犬じゃなく、男と女の関係になった。
…これ、さっきより、柔らかいけど、まだ、すごく大きい。
強姦されたって、魅寿紀は言うけど、本当は待ち望んでいた、すごく嬉しかったんだ。
あの子の人生を私が変えてしまったと思っていたけど…これで安心して夜叉姫様の前に行ける。」と言って、微かな寝息を立て始めた。

高野はキッチンでぬる湯をつくり、彼女の双丘の谷から滴る血の混じる体液を慎重に拭き取り、足の指から体全体を丁寧に拭き、清めた。局部からまた滲んできた体液が漏れないように陰唇に沿ってティッシュを当てて、寝具に紛れていた白いショーツを見つけ、はかせた。菊里は高野の成すがままに任せ、口元に笑みを浮かべていた。はだけていた浴衣の前を合わせ、手櫛で髪を整えて布団をかけた。

寝息の漏れる唇に唇を重ね、舌を舌で触れ、部屋を出た。

事務所に戻ると、社長と奥さんには、菊里が今寝付いたばかりなので、堅哉が帰ってくるまでそっとしてやってほしいと伝え、現場に戻った。

その日の堅哉はY大学で、古建築物の特任講師の講義や実技指導をし、夜7時ころ帰宅した。いつもなら起き上がってくる菊里が静かに眠ったままだ。

テーブルには「堅哉様」の表書きの封筒があった。彼女を起こさないように、そっと座って読み始めたとき、菊里が目を開けた。
「あっ、タッちゃん帰ってきていたの、眠っていてごめん。今日ねえ、杉野先生から、私の余命は3か月と言われちゃった。だから遺書書いておいた。もう読んだ?」

「いや、今、読み始めたところ」
「読み終わったら、こっちに来てね」
「分かった」

『堅哉様
先ほど、余命3か月って杉野先生から言われました。多臓器不全でもう長くはないようです。いつ死んでもいいように、書き留めて置いたメモを整理しておきました。
私のこと、あちらに行けば、騎龍瀬織津媛様の仲間に加えていただいけるので、心配しないで。
磯貝建設のこと、磯貝の家も父の後継として、あなたが繋いでほしい。私も、夜叉姫様も応援しているから。
あなたが特任講師になってから私たちの後輩が毎年のように入社してくれている。おかげで父も会社も元気になって、業績も伸びていること感謝し、誇らしく思っています。

高野には、キクちゃんの番犬として人生を犠牲にして支えてくれたことに私が本当に感謝していたとタッちゃんからも伝えてね。さっき、高野を誘惑して10年越しの思いを遂げることができました。これで飼い主と番犬はおしまい。これからは自分の自由に生きてほしいこと、身をもって伝えました。高野は私のために魅寿紀と結婚した。分かっている。私が死んだら一緒に暮らす意味がなくなってしまうかも、魅寿紀と瑞葉のこと、高野は二人を捨てるかもしれない。その時は、父と母と一緒に二人の面倒もお願いします。
高野組のこと、高野が投げだしたならその時はこちらも堅哉が引き継いでやってほしい。

奉納舞と秘儀のこと、絶えることのないように、私に代わる姫巫女を見つけてね。その子を依り代として私もあなたとの逢瀬ができる。

堅哉、私が死んでもあなたが夜叉姫様の供儀であることは変わらない。
供儀の道を踏み外すさないでね、非業の死を与えられた人たちを知っているよね。堅哉を信じている。

最後に、私たちの奥の院拝み堂のこと、拝み堂であなたに出会えたことは、夜叉姫様のご深慮と思っています。
お堂と祭礼が不可分なこと、堅哉にはわかっているよね。堅哉にしかお願いできない。焦ることなく、良き姫巫女を育て、秘儀を重ねて子どもを沢山育てて、磯貝の家と拝み堂を次の世代につないでください。

お願いばかりで、ごめんなさい。体は死を迎えても、私の思いはいつもあなたの側にあります。あなたが読むころは、もうこの世にいないかもしれない。あなたが帰ってきて、私がまだ生きていたら、最後はあなたに抱かれて、死にたい。』

読み終えて、堅哉が見返ると横たわる菊里の顔から血の気が失せており、呼吸は止まっていた。
「菊里!死ぬな!」
菊里に飛びついて、彼女の後頭を支え、腰を抱き留めて「菊里!」と叫んで泣いた。
騒ぎを聞きつけて父や母、魅寿紀と瑞葉も部屋に飛び込んできた。
皆が、呆然、唖然とする中、魅寿紀が病院そして高野へ電話をし、堅哉を叱咤して菊里から引きはがして、菊里を布団に寝かせ、菊里の母を促して共に整容、整髪をし、紅をさした。
まもなく杉野医師と看護師が到着した。高野はどこにいたのか真夜中に戻ってきた。

菊里の一周忌を待って、高野は魅寿紀と瑞葉を磯貝家に預け、単身で宮大工の修行に出ていった。

・・・・・

善卓寺の住職は奥の院拝み堂の祭礼の継続のために東堂様(=住職の娘、副住職の未亡人)を姫巫女にしたいと堅哉と千代子さんに提案してきた。
東堂様は菊里が姫巫女になる前、姫巫女の修養を積んでいる。滝行や奉納舞などを努めることは可能だろうが、すでに40歳を超えており、副住職の未亡人であることから夜叉神様がお認めになるか、拝み堂で秘儀を試行した。夜叉神様は降りてこなかった。とはいえ新たな姫巫女が現れるまで、祭祀を引きつぐ事になった。
魅寿紀も善卓寺に乗り込んで東堂様を罵り、自分が姫巫女になると言い出した。
しかし、何度挑戦しても奉納舞の滑るような足運びができない。むしろ、側で見ていた瑞葉が、滑るような見事な足運びをして見せた。住職と千代子さんは驚き、密かに喜んだ。

堅哉は時々夜叉姫の声を聴こうと拝み堂に籠るようになっていった。滝行をして堂内で寝ていると東堂様の体を通じて、夜叉姫と菊里が降りてくる。歓喜が沸き、心と体の充実を実感できるのだ。

そして、その夜が来た、瑞葉は夜道を一人歩いて拝み堂に来た。秘仏騎龍瀬織津媛の命(ヒブツキリュウセオリツヒメノミコト)が降りてきたのだ。彼女は依り代になった。
東堂様には下山してもらい、堅哉は瑞葉の尿を聖水として飲んだ。
その日、交合には至らなかったが小学4年生の姫巫女が誕生した。