顛倒夢想と新型コロナ禍

「遠離一切顛倒夢想 究境涅槃・ おんりいっさい てんどうむそう くきょうねはん」=一切の顛倒夢想から遠く離れ、究めた心が涅槃(苦が全く生起しない)の境地ですよと翻訳できると思います。
顛倒夢想(てんどうむそう)=「建設的なのに嫌い・破壊的なのに好き」と感じる逆さまの意識という見解もあります。
つまり「自分の為になる事は嫌いで、ダメになる事は大好き」
例えば、糖尿病などの生活習慣病の人は、体のために運動して食べ物に気をつけると良いと知りながら相変わらずだったり、そして足の指が腐ってきて慌てた友人がいました。また、高校時代シンナーを吸っていて、バレたため退学になりかかった奴や、酒の飲みすぎからアル中になってしまった奴もいる。CAMEはがんになったにもかかわらず、煙草を止めないので家族や友人から顰蹙を買っている。

しかし顛倒夢想をこうした個人の在り方に還元してしまうのは大乗仏教の精神から見て狭い見解と言えるのではないだろうか。もっと社会性を持った言葉として捉えてみよう。今コロナウイルス騒ぎで目に付く様々な現象について、顛倒夢想を探ってみたい。

そんなわけで次回は「正常性バイアス」について

投稿者:

camepost

元中小企業診断士、福祉サービス第三者評価者(東京、神奈川)、社会的擁護関係評価者、介護福祉経営士一級、